
口座残高の増減しか見ていないんだけど、これって正しいお金の管理なのかな。なんか漠然と不安はあるんだけど、具体的に何が問題なのかも分からなくて。

その感覚は正しい。口座残高を眺めているだけでは、競技費・生活費・将来のお金が混在したまま流れているだけで、”管理”にはなっていない。

確かに……毎月の競技費が思ったよりかかって、このまま続けていけるのかなって。体の限界より先に”お金”の限界が来そうで、正直怖い。

それが現実で、体が動くうちに資金が尽きて競技を諦めるアスリートは本当に多い。お金がなくなったところが、行動の限界になってしまうんだ。

じゃあ何から始めればいいんだろう……確定申告も毎回不安だし、保険とか投資とか言われても何が何だか。もっと体系的に学べる方法ってないのかな。

まず一冊、手元に置いておくといい本がある。両学長の『お金の大学』だ。貯める・稼ぐ・守る・増やす・使うの5つの力で体系的に整理されている。アスリート向けじゃないけど、競技生活のあらゆる場面に刺さる。2020年から辞書代わりに使い続けている本だ。
筆者はマリンスポーツ歴20年の現役プロアスリートです。月収35万円を稼いでいた時期でも、なぜかいつも「お金が足りない」という感覚が続いていた。厚生年金に入れてもらえていなかったことに気づいた時のショック。確定申告のたびに「これで合ってるのか?」と毎年不安になる感覚。
そういった経験を経て出会ったのが、両学長の『お金の大学』です。アスリート向けに書かれた本ではありませんが、この本に書かれている「5つの力」は、競技生活を送るすべての人に刺さります。2020年に購入して以来、手放せない一冊になりました。
人生は長い。でも、競技人生は短い。真剣に競技と向き合える時間はさらに短く、プロとして戦える時間はさらに短い。アスリートとしての時間だけで生活のすべてを燃やし尽くして、引退後に何も残らないようでは困る。働きながら練習を続けるのは人より大変なことだからこそ、価値がある。人より大変なことをやって何も残らないのは、あまりにも寂しい。だからこそ、お金の管理はアスリートの仕事のひとつだと思っている。
📋 この記事でわかること
- 体・精神より先に「資金の限界」が来るアスリートの構造的な問題
- 両学長『お金の大学』の5つの力の概要
- アスリートに特に刺さる「守る力」の中身(税金・社会保険)
- 確定申告・ふるさと納税を「辞書として使う」実践的な活用法
- お金の知識が「人に騙されない力」になる理由

まず結論 ── この本、アスリートに刺さります
『お金の大学』はアスリート向けに書かれた本ではない。でも「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」の5つの力は、競技生活の現実にそのまま直結する。特に守る力——税金・社会保険・保険の正しい知識——は、誰も教えてくれないまま損し続けている若いアスリートにこそ届けたい内容だ。順番にタスクをこなしていくことで、今まで無駄に払っていたものが減り、自分の競技に使えるお金が増えていく。
体よりも先に「資金の限界」が来るアスリートたち
競技を続けられなくなる理由は、体の故障だけではありません。精神的な燃え尽きだけでもありません。
「お金が続かなくなった」——これが、競技を諦めた理由として、想像以上に多くのアスリートの口から出てきます。肉体的にも精神的にもまだやれる。でも、資金の限界が行動の限界になってしまう。
個人でプロを目指しているアスリートや、セミプロとして競技を続けている人たちは、学校や職場でお金のことを体系的に教わる機会がほぼありません。競技に集中している間も、税金は動き続け、社会保険の知識不足は後から大きなしっぺ返しになって返ってきます。
ダブルワークで月収35万円を稼いでいた頃、なぜかいつも「足りない」感覚が続いていました。問題は収入ではなく、お金の「分け方」と「守り方」を知らなかったことでした。厚生年金に加入させてもらえていなかったことも、当時は問題の大きさを理解できていませんでした。知識があれば防げたことが、たくさんありました。
だからこそ、競技を続けたいアスリートには「お金を学ぶこと」が必要です。そのための最初の一冊として、この本を推薦します。
両学長『お金の大学』とは
著者の両学長は、YouTube「リベラルアーツ大学(リベ大)」の運営者です。チャンネル登録者数は811万人を超え(2026年4月現在)、お金・仕事・生き方について、わかりやすく実践的な情報を発信し続けています。
著書『本当の自由を手に入れる お金の大学』は、2020年の発売以来のシリーズ累計が2026年3月時点で200万部を突破したベストセラーです。2024年11月には内容を大幅にアップデートした改訂版も発売されています。

この5つの力は、お金に悩むすべての人向けに書かれています。でも読んでみると、アスリートの現実と驚くほど重なります。順番に見ていきましょう。
アスリート目線で読む5つの力
④ 守る力 ── アスリートに最も刺さる章
5つの力の中で、アスリートに最も重要だと感じるのが「守る力」です。
税金は、競技に集中していても待ってくれません。個人でプロを目指すアスリートや、フリーランスで複数の仕事を掛け持ちする人は、確定申告・各種控除・社会保険を自分で理解して対応する必要があります。でも、誰も教えてくれない。
- 確定申告と経費 ── 競技に関連する費用を正しく経費計上する方法
- 医療費控除 ── 怪我の治療費・リハビリ費用の控除申請
- 扶養控除・各種控除 ── 知らないまま損している控除の確認
- ふるさと納税 ── 合法的に手元に残るお金を増やす方法
- 社会保険の仕組み ── 厚生年金・国民年金・健康保険の違いと注意点
筆者自身、アルバイトをしながら競技を続けていた時期に、厚生年金に加入させてもらえていなかったことがあります。当時はその重大さを理解できていませんでした。後になって、これがどれほど大きな損失だったかを実感しました。
『お金の大学』の「守る力」の章は、こういった知識を平易な言葉で体系的に解説してくれています。若いアスリートにこそ、早い段階で読んでほしい内容です。
① 貯める力 ── 4層の考え方と重なる
「貯める力」は、支出を見直して手元に残るお金を増やす章です。固定費・変動費の整理、保険の見直し、サブスクの断捨離など、すぐに実践できる内容が並んでいます。
アスリートに置き換えると、これは生活費・競技費・遠征費・特別費を「層に分けて把握する」考え方と直結します。お金が「一本の川」になって流れていくのではなく、用途ごとに分けて管理することが、競技を続ける基盤になります。
② 稼ぐ力 ── 副業・ダブルワークとの接続
「稼ぐ力」は、収入源を増やしたり、自分のスキルを収益化する方法を扱う章です。副業・フリーランス・スキルアップの考え方が実践的にまとめられています。
競技費を自分で稼ぐ必要があるアスリートにとって、収入を増やすことは避けられないテーマです。筆者もトラック・レストラン・インストラクターの3つを掛け持ちしていた時期がありましたが、当時は「ただ体を動かして稼ぐ」だけで、収入を仕組み化する発想がありませんでした。この章は、そういった視点を与えてくれます。
⑤ 使う力 ── 「順番を守る」という考え方
「使う力」は、自己投資・経験・豊かさのためにお金を使う考え方を扱います。「節約しすぎず、人生を豊かにするお金の使い方とは」という視点です。
筆者の経験として、賞金が入った時に「欲しかったものをすぐ買う」衝動に駆られたことがあります。でも大切なのは「買うな」ではなく「順番を守れ」ということ。貯める・守る・稼ぐの基盤を整えてから、残ったお金で欲しいものを買う——その考え方は、この本の「使う力」と深く重なります。
③ 増やす力 ── 競技中は無理せず基礎だけ押さえる
「増やす力」は投資・資産運用の章です。インデックス投資の基本など、初心者にも分かりやすく解説されています。
正直に言えば、現役競技中のアスリートにとってこの章はすぐ実践しにくい内容かもしれません。まとまった投資資金を用意する余裕がない時期もあります。ただ、「いつか投資を始める前に知っておくべき基礎知識」として読んでおく価値は十分にあります。知識だけ先に持っておくことで、将来の判断が変わってきます。
「辞書として使う」という実践的な活用法
この本の使い方として、筆者がおすすめするのが「辞書として使う」方法です。
一度通読した後は、何かわからないことが出てきた時に「そういえばあの本に書いてあったな」と開く——それだけで十分です。
- 確定申告の時期 ── 医療費控除・扶養控除の仕組みを確認するために開く
- ふるさと納税をする前 ── やり方を忘れてしまうので、手順を確認する
- 保険を見直す時 ── 「本当に必要な保険」の基準を見返す
「ああそうだ、そうだった」と確認しながら使う。専門書ではなく、生活に寄り添う実用書として手元に置いています。
忙しいアスリートにとって、毎日お金の勉強をする余裕はありません。でも年に数回、必要な時にさっと開ける一冊があるだけで、知識の空白が少しずつ埋まっていきます。
一冊手元に置いておきたい理由
最後に、なぜアスリートにこの本をすすめるのかをまとめます。
- 「できる範囲で一から」実践できる
アスリート向けではないが、順番にタスクをこなすことで無駄な支出が減り、競技に使えるお金が増えていく - 若いうちに「守る力」を知れる
税金・社会保険の知識は早く知るほど得をする。誰も教えてくれないからこそ、自分で学ぶしかない - 「騙されない力」が身につく
お金の基礎知識は、悪質な投資勧誘や保険の押し付けから身を守る盾になる
体が動く限り競技を続けたい——その意志がある人ほど、お金の基盤を早く整えてほしいと思います。「資金の限界」を、行動の限界にしないために。
書籍情報・購入リンク
著者:両@リベ大学長
出版社:朝日新聞出版
こんな人に:お金の勉強を一から始めたいアスリート・フリーランス・個人事業主
▶ Amazonで見る(改訂版) 旧版はこちら
まとめ ── お金の限界を、競技の限界にしないために

- 体・精神よりも先に「資金の限界」が来るアスリートが多い
- 両学長『お金の大学』は5つの力(貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う)を体系化した一冊
- アスリートには特に「守る力」——税金・社会保険・控除の知識が刺さる
- 確定申告・ふるさと納税・医療費控除の「辞書」として毎年使える
- 知識は「騙されない力」にもなる。個人的に強くおすすめしたい
競技人生は、人生全体から見ればほんの一部の時間だ。その時間が終わった後も、自分の生活は続く。アスリートとしてだけ燃え尽きて、引退後に何も残らないようでは困る。人より大変なことをやって何も残らないのは、あまりにも寂しい。だから、お金を学ぶことは「競技から逃げること」ではない。お金の管理は、アスリートの仕事のひとつだ。
アスリートのお金管理を「4層フレームワーク」で体系化した記事はこちら。
アスリートがお金で詰まない方法 ── 生活の基盤を守りながら競技を続ける、20年で学んだ原則
実際にダブルワークでどう競技費を稼いだか、全記録はこちら。
アスリートのダブルワーク全記録 ── トラック12時間×レストラン4時間で気づいたこと
本記事の内容は筆者個人の体験および感想に基づくものであり、税務・法律・投資に関するアドバイスではありません。税金・社会保険・資産運用については、必ず専門家(税理士・社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー等)にご相談の上、ご自身の判断と責任においてご対応ください。
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