アスリートにとって、スマートウォッチは、切り離せないものになっています。
トレーニング中のパフォーマンスを計測するデバイスの「専門性」は非常に重要です。
身体のバイタルの正確な計測、それに伴う、GPSの精度、最高速度の記録、コンマ秒単位でのレスポンスなど、競技特性に特化した機能は譲れません。
一方で、日々そのパフォーマンスを支えるのは、
練習外、特に「休養」や「睡眠」といった「オフの時間」の質です。
現状、Apple Watchはトータルでの性能は非常に高いものの、
競技レベルの専門性においては、まだ専用デバイスに及ばない面があるのは事実です。
だからこそ、「競技の記録は専門デバイス、日常のバイタル管理はApple Watch」と明確に分離・使い分けることが、アスリートにとって最も賢明な選択だと考えます。
専門と日常の2つを使い分けることを、この記事では推奨しています。
また、万能デバイス(機能が幅広く、専門性もカバーする)は、日常使いでは、不向きでおすすめはしない。
AppleWatchは競技アスリーとの個々の要求に答える限界がある。
Apple Watchは「情報を確認する」「支払いをする」「健康を記録する」といった日常の様々なタスクを、スマートフォンを取り出すことなく手首の上で完結させてくれる、非常に便利なデバイスです。アスリートの現場では、過酷な状況下では、どうでしょうか?
・ユーザビリティーの壁:過酷な環境でのタッチ操作の限界
・専門機能の壁:競技に特化した測定・記録ができない
ユーザビリティーの壁:過酷な環境とタッチ操作の限界
Apple Watchの洗練された操作性は、タッチスクリーンが基本です。しかし、アスリートの現場は、常に穏やかとは限りません。

・雨や汗、水しぶきによる誤操作:雨の中でのランニング・自転車、汗だくのインターバル層、そしてセイリング・SUPのように常に水しぶきを浴びる状況では、濡れたタッチスクリーンは意図通りに反応しないことがあります。
・物理ボタンの確実性:グローブを装着しているときや、グリップやハンドルを握りしめているような状況で、コンマ秒を争うラップをとりたい瞬間。「画面を見て正確にタップする」という動作は現実的ではありません。このような過酷な状況下では、ほぼ見なくても押せる「物理ボタン」の操作性が、専用デバイスの絶対的な強みになります。
専門機能の壁:競技性に特化した、測定記録ができない。
Apple Watchのワークアウトアプリは優秀ですが、特定の競技に特化したところには手が届きません。
ここでは特異性の大きい競技、マリンスポーツウィンドサーフィンの世界を例に取ってみましょう。この競技で求められるのは、単なる、心拍数、移動距離、平均速度だけではありません。

・競技特有の指標:風に対する登り下りの角度(アングル)のデータ、200mや500mといった、特定区間の平均速度、そしてレグ(測定区間)ごとの最高速度(Maxスピード)の記録です。その速度を下に、チューニングしたり、ボードやセイルのサイズを変更します
・専門的な計測機能:さらに言えば、「時速20ノットを超えたら計測を自動で計測を開始する」といったトリガー機能や、「スピードアタック」ごと、の詳細な速度ログも不可欠です。

競技ごとに、求められるデータや機能が変わってきますね。
これらはアスリート自身のパフォーマンス分析・向上させるための指標ですが、現状のAppleWatch単体やアプリでは、これらの専門的な計測はほぼ不可能です。
だからこそ「競技の記録は専門デバイス」に任せるべきです。
この話を聞くと、こう思うかもしれません。

それなら、高性能デバイスだけを24時間つけていれば、
すべて解決するのではないか?

そのとおりなんですが、実は落とし穴があるんです。
専門デバイスは、日常のバイタル管理には、オーバースペックであり、同時に「不向き」です。
なぜなら、
競技用デバイスは、堅牢さや長時間バッテリーと引き換えに、ゴツゴツとした無骨で、サイズも大きくなりがちです。それを睡眠中も含め、充電中を除き、24時間装着し続けるのは、快適とは言えません。ストレスにつながります。
堅牢さの形状が故にビジネスシーンでも、不向きな場合も。。。
またそれらのデバイスは、「競技の記録」には適していますが、ipheneとのシームレスな連携(カレンダー、電子決済、サードパーティー製アプリのの活用、セキュリティー)に置いて、Apple Watchの利便性には及びません。
「練習は専門デバイス」。「日常のバイタル管理」にAppleWatchを選ぶべき3つの理由
ここでは、アスリートが練習外の日常的なバイタル管理にApple Watchを使うべき3つの大きなメリットを解説します
1.Appleという圧倒的な普及度と信頼性
2.iPhoneとのシームレスな連携・ヘルスケアアプリ
3.日常使いでの「ストレス」の無さ・TPO
1.appleという 圧倒的な普及度と信頼性
Apple Watchが持つ最大の強みの一つが、その普及率の高さとブランドの信頼性です。
- データの比較が容易
多くの人が使用しているため、自分の睡眠時間や心拍変動、活動量といったデータが、様々なカテゴリーのアスリートとの平均値と比べてどうなのかを客観的に把握しやすいです。 - Appleという安心感
OSのアップデート頻度、強固なセキュリティ、そして高いクオリティーのソフトウェアは、日々の大切なバイタルデータを預けるデバイスとして絶対的な安心感があります。 - 高い、リセールバリュー
将来的に新しいモデルに買い替える際も、リセールバリュー(再販価値)が非常に高いため安定的です。長期的なコストパフォーマンスにも優れています。
2. iPhoneとのシームレスな連携・ヘルスケアアプリ
多くののアスリートが既にiPhoneユーザーであることを鑑みると、
この連携機能は大きなメリットです。
- 「ヘルスケア」アプリによる網羅的な管理
睡眠の質(レム・コア・深い睡眠)、心拍変動、血中酸素濃度、皮膚温変動、安静時心拍数など、コンディション把握に不可欠なバイタルデータが、朝起きた時点でiPhoneの「ヘルスケア」アプリに自動で集約されます。これにより、体調の変化や疲労の蓄積を網羅的に「見える化」できます。 - 豊富なサードパーティーアプリの活用
食事管理、水分補給、メンタルトレーニング、特定の指標(例:心拍変動HRV)を深く分析するアプリなど、サードパーティー製の優れたアプリとシームレスに連携し、自分の目的に合わせて機能を拡張できるのも大きな魅力です。
3. 日常使いでの「ストレスのなさ」

どれだけ高機能でも、
日常的に装着し続けることに煩わしさ、ストレスを感じては意味がありません
結論:専門機とAppleWatchの使い分けが最適解
トレーニングのパフォーマンスを最大化するためには、専門のデバイスが必要です。
しかし、そのパフォーマンスを土台から支えるのは、練習外の「休養」と「睡眠」の質です。
Apple Watchは、その最も重要な「オフの時間」を、最もストレスなく、かつ詳細に記録・管理するための最良のパートナーです。
競技は専門デバイスに任せ、日常のコンディション管理はApple Watchに任せる。この「使い分け」こそが、アスリートが自身のバイタル管理を成功させる鍵となるでしょう。
使用目的を明確にできれば、専門機とapplewatchの2台持ちで「使い分け」でも、コストは安くなります。
専門機:競技における、精度の高い測定記録による分析。価格が高くなりやすいので、使用機能を明確にし、競技に特化したものの選択が大切。オーバースペックになれば、価格は一気に高くなる。
AppleWatch:長期的に自分のバイタルを記録管理をすることで、自身の生活習慣の見直しや、疲労や病気などの予兆を見逃さない。日常でストレスなく身に着けやすい。

おまけ:余裕があるなら(機能)全部盛りも否定しません
専門的なデバイスは、フラグシップモデルなど20万円を超えるものもあります。「高級品を使うな」という意味ではないです。
「私はデバイスの企業から、スポンサードを受けていますから、日常も使います。」や
「TPOでも注意されたことはない」という方も、いらっしゃいます。
(スポンサーを受けた場合は、その機能を十分に熟知し活用することや、日常でも使用することは、ある意味プロの仕事です。)
またApplewatchがTPOにそぐわないかも、個人差や、各々の環境もありますし、長時間着用もストレスにならないという方も実際にいらっしゃいます。
ここでは、多くのアスリートが、資産に余裕があり、使用ギアをスポンサードされている訳ではない事を前提にしています。
アスリートの限られたリソース(資金・時間)で最大限の結果を出すこと、勝負に勝つことが目標であるため、スマートウォッチに必要以上の高性能を求めないようにすることは注意すべきことでしょう。
(戦略的に)日常のバイタルをapplewatchで長期的に健康を管理して、(戦術的に)競技では、精度の高い測定をすることで正しい分析をすることが良いと考えます。

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