AI協業 本記事は覆面アスリート本人の体験・意見・判断をベースに、AIアシスタント(Claude)の支援を受けて構成・編集しています。
キプチョゲが走りながら摂り続けるのは大量の糖。終盤の失速は根性ではなくエネルギー切れです。科学は運動中1時間あたり30〜60gの糖質補給を支持。ただし全員がプロ量は不要——自分の競技時間と強度で決めます。
✅ 本記事で得られること
- 終盤の失速が「根性不足」ではなくエネルギー切れだと分かり、自分を責めなくなる
- 運動中に摂る糖質の量とタイミングの目安が、科学的な出典つきで分かる
- マラソン以外(球技の後半・長時間の稽古)にも当てはめられる、競技別の使い分けが分かる
👤 こんな方におすすめ
- 試合や練習の終盤で急に動けなくなる、持久系のアスリート
- 「補給は必要なのか、どれくらい摂ればいいのか」が分からない人
- 世界のトップ選手が実際に何をしているのか知りたい人
試合の後半になると、足が止まっちゃうんです。これって走り込み不足ですか?
走力より先に、エネルギー切れかもしれません。あのキプチョゲも、走りながら糖を摂り続けています。
えっ、走りながら?でも、プロと同じ量なんて私には摂れないですよ…
同じ量は要りません。自分の競技時間と強度で決めます。まず量とタイミングの科学から、順に見ていきましょう。
キプチョゲとは誰か — 走りながら「飲み続ける」選手
キプチョゲはレース中に何を摂っているのか?
エリウド・キプチョゲはケニアの男子マラソン選手で、2時間1分9秒の世界記録(2022年)を持つ第一人者です。彼はレース中、糖質ドリンクを走りながら何度も口にします。2時間切りに挑んだ特別レースでは、1時間あたり約100gもの糖質を狙ったと報じられました(報道ベース)。
- 実績:男子マラソン世界記録(2時間1分9秒・2022年ベルリン)、五輪連覇
- 摂るもの:レース中は糖質ドリンク(モルテン社の製品を使用と報道)
- 量:2時間切り挑戦では1時間あたり約100gの糖質を狙ったと報じられる(報道ベース)
本題の前に、彼がどんな選手かを簡単に紹介します。
エリウド・キプチョゲは、ケニア出身の男子マラソンランナー。オリンピックのマラソンで2連覇(2016年リオ・2021年東京)を果たし、2022年のベルリンマラソンで2時間1分9秒という当時の世界記録を打ち立てた、長距離界の第一人者です。
2019年には、オーストリア・ウィーンで行われた特別企画「INEOS 1:59 チャレンジ」で、人類初となるマラソン2時間切り(1時間59分40秒)を記録しました。ペースメーカーの交代など特別な条件下での記録のため公式記録にはなりませんが、「不可能を可能にした」出来事として世界に衝撃を与えました。
そんな彼が徹底しているものの一つが、レース中の「補給」です。
マラソンを走る彼の手元をよく見ると、給水所のたびにボトルを受け取り、走りながら中身を口に運んでいます。中身はただの水ではなく、糖質を溶かしたドリンク。スポンサーであるモルテン社の製品を使っていることが報じられています。
特に有名なのが、2時間切りに挑んだレースでの補給量です。
複数の報道によれば、彼はこの挑戦で1時間あたり約100gもの糖質を摂ることを目指したとされます。角砂糖にすると1時間で30個分を超える量で、一般的なランナーが摂る量をはるかに上回ります。
誤解しないでほしいのは、これは「たくさん飲めば速くなる」という話ではない点です。世界最高峰のスピードを2時間以上維持するために、枯渇するエネルギーを必死で補い続けている——そう捉えるほうが実際に近いです。彼の補給は、才能ではなく緻密な計算の上に成り立っています。
では、なぜトップ選手ほど「走りながら飲み続ける」のか。まずは、終盤に足が止まる仕組みから見ていきます。
なぜ終盤に急に動けなくなるのか — エネルギー切れの正体
なぜ運動の終盤で急に失速するのか?
体に蓄えられる糖(グリコーゲン)には上限があります。強度の高い運動を続けると、その蓄えはおよそ90分から2時間で大きく減り、底をつくと血糖まで下がって「足が止まる」「頭がぼーっとする」状態になります。これがマラソンの失速も、球技の後半のバテも共通して起こすエネルギー切れです。
終盤の失速は、根性や走り込み不足だけの問題ではありません。
体を動かすエネルギー源のひとつが、糖です。食べた糖質は「グリコーゲン」という形で、肝臓と筋肉に蓄えられます。
ただし、この蓄えには上限があります。そして運動の強度が高いほど、この糖は速いスピードで使われていきます。
強度にもよりますが、高強度の運動を続けると、蓄えた糖はおよそ90分から2時間で大きく目減りしていきます。
糖の蓄えが底をつくと、体は困った状態になります。
筋肉を動かす燃料が足りなくなるだけでなく、血液中の糖(血糖)も下がりやすくなります。脳は主に糖をエネルギー源にしているため、血糖が下がると集中力や判断力まで落ちます。
「体は動くのに力が出ない」「耳が少し遠くなるような、意識がふわっとする感じ」——これが、エネルギー切れが近づいたときのサインです。
ここで大事なのは、これがマラソンだけの話ではないということです。
サッカーやラクロスの後半にガクッと走れなくなるのも、長時間の稽古で終盤に集中が切れるのも、トライアスロンや自転車で脚が回らなくなるのも、背景にあるのは同じ「糖の枯渇」です。競技は違っても、体の中で起きていることは共通しています。
だからこそ「一流選手が糖質を控えている」という話だけを聞いて、運動中の補給まで削ってしまうのは危険です。動かない時間の砂糖と、運動中に体を動かす糖は、役割がまったく違います。削る場所を間違えると、失速を自分から招くことになります。
では、枯渇を遅らせるために、実際どれくらいの糖を摂ればいいのか。科学が示している目安を見ていきます。
科学が支持する「運動中の糖質の量」 — 時間で変わる目安
運動中は1時間あたり何グラムの糖質を摂ればいいのか?
運動中に摂る糖質の目安は時間で変わります。1時間以内なら基本は不要、1〜2.5時間で1時間あたり30〜60g、2.5時間を超える長時間では最大90gが国際的な目安です。90gを狙うときは、ブドウ糖に果糖を組み合わせると吸収できる量が増える、というのが科学のポイントです。
ここが本記事の核心です。運動中に摂る糖質の量は、運動の「長さ」で変わります。
米国スポーツ医学会などが出した共同声明(2016)は、運動時間ごとにおおよその目安を示しています。
まず、1時間以内の運動なら、多くの場合は水で足ります。糖の蓄えだけで最後まで走り切れるからです。
1時間から2時間半ほど続く運動では、1時間あたり30〜60gの糖質が目安になります。ハーフマラソンや、長めの練習がここに当てはまります。
2時間半を超える長時間では、1時間あたり最大90gまで増やす価値が出てきます。フルマラソンの後半、トライアスロン、長距離の自転車などです。
ここで一つ、科学的におもしろいポイントがあります。
実は、1種類の糖(ブドウ糖だけ)では、腸が吸収できる量に上限があり、1時間あたり60g前後で頭打ちになります。それ以上飲んでも吸収されず、胃に残って気持ち悪くなるだけです。
ところが、ブドウ糖に果糖を組み合わせると、吸収する「入口」が増えるため、より多くの糖を体に取り込めます。90gという多めの量が可能になるのは、この仕組みのおかげです。
キプチョゲが使っているような補給ドリンクや、市販のジェルの多くが複数の糖を混ぜているのは、この理由からです。
糖質そのものの種類や、日常の食事での摂り方は、こちらで体系的に整理しています。
目安が分かったところで、次は自分の競技にどう当てはめるかです。
自分の競技に落とし込む — 時間・強度でこう変わる
自分の競技では糖質補給をどう当てはめればいいか?
補給は「何分、どれくらいの強度で動くか」で決めます。60分以内なら基本は水で十分。90分を超える練習・試合・稽古では1時間あたり30〜60gをこまめに。サッカーやラクロスのように走行距離が長い球技は、後半のエネルギー切れ対策として給水やハーフタイムで糖質を足すのが有効です。
- 短い運動:60分以内なら基本は水でよい
- 長い運動:90分を超える練習・試合は30〜60g/時をこまめに
- 球技の後半:走行距離が長い競技はハーフタイムや給水で糖質を足す
キプチョゲの量をそのまま真似する必要はありません。大事なのは「自分がどれくらいの時間、どれくらいの強度で動くか」です。
目安を、競技の場面ごとに当てはめてみます。
| 場面 | 糖質補給の目安 |
|---|---|
| 60分以内の練習・短い試合 | 基本は水でよい。糖の蓄えで最後まで持つことが多い |
| 90分を超える練習・長時間の稽古 | 1時間あたり30〜60gを、20〜45分ごとにこまめに |
| フルマラソン・トライアスロン・自転車 | 最大90gまで。ブドウ糖+果糖の混合タイプで胃腸を慣らして |
| サッカー・ラクロス等の球技(後半失速) | 給水やハーフタイムで糖質を。走行距離が長く強度も高いほど効く |
ポイントは、量よりも「早めに、こまめに」です。
エネルギー切れを感じてから飲んでも、吸収が追いつきません。まだ元気なうちから、少量を規則的に入れておくのが、失速を防ぐコツです。
では、具体的に何で摂るのがいいのでしょうか。
選択肢は主に3つ。スポーツドリンク、ジェル、そして粉飴(マルトデキストリン)です。手軽さ・コスト・胃への負担で選び分けます。
コストを抑えて練習から使い込みたいなら、粉飴を水に溶かす方法が定番です。選び方や溶かし方は、こちらにまとめています。
味やコストを自分で調整したいなら、自作スポーツドリンクという手もあります。粉飴に少量の塩と果汁を混ぜれば、市販品に近いものが安く作れます。
ただし、量を増やすときには一つだけ注意があります。次で「胃腸の壁」と、真似すべきでない部分の話をします。
胃腸トラブルと「引き算」 — 全員がプロの量を摂る必要はない
補給量を増やすとお腹を壊す。どうすればいい?
補給量を一気に増やすと、吸収が追いつかず胃に残って気持ち悪くなります。だから練習のうちに少量から試し、数週間かけて体を慣らすのが基本です(胃腸も鍛えられます)。そして全員がプロと同じ量を摂る必要はありません。自分の競技時間と強度に見合った量を、無理なく摂れる範囲で使うのが正解です。
「90gまで摂れる」と聞いても、いきなりそこを目指すと失敗します。
糖の吸収能力には個人差があり、慣れていない胃腸に大量の糖を送り込むと、吸収しきれずに胃に残ります。結果、吐き気やお腹の不調でかえってパフォーマンスが落ちます。
マラソンやトライアスロンで「補給したのに気持ち悪くなった」という失敗は、多くがこのパターンです。
解決策はシンプルで、「練習のうちから、少しずつ慣らす」ことです。
本番でいきなり試すのではなく、普段の練習で少量から補給を試し、数週間かけて量を増やしていく。胃腸も、使えば少しずつ多くの糖を処理できるようになります。
私も昔、練習で1時間を過ぎると頭がぼーっとして、力が出なくなることがありました。
粉飴を練習中に少し飲むようにしたら、その感覚が減りました。最初は少量から。あくまで私個人の体感で、万人に当てはまるものではありません。
そしてもう一つ、大事な「引き算」があります。
キプチョゲの1時間100gは、2時間以上フルスピードで走り続ける彼だからこそ必要な量です。90分の練習をする人や、球技の選手が、同じ量を摂る必要はありません。
むしろ、動く時間が短い人が大量の糖を摂れば、余った分は脂肪になるだけです。
大切なのは、トップ選手の「量」を真似することではなく、「早めに、こまめに、糖を切らさない」という考え方を、自分の競技サイズに合わせて取り入れることです。
よくある質問
Q. 1時間くらいの運動でも補給したほうがいいですか?
A. 多くの場合、1時間以内の運動なら水で足ります。蓄えた糖だけで最後まで持つためです。ただし、朝食を抜いた状態や、非常に高い強度が続く場合は、少量の糖質が助けになることもあります。
Q. マラソンのジェルは何分おきに摂ればいいですか?
A. 製品や体格によりますが、20〜45分ごとを目安に、早めに始めるのが基本です。エネルギー切れを感じてからでは吸収が追いつきません。本番前に練習で試し、自分に合う間隔を見つけておくと安心です。
Q. スポーツドリンク・ジェル・粉飴、どれがいいですか?
A. 手軽さならジェル、コストを抑えて練習から使い込むなら粉飴、水分と一緒に摂りたいならスポーツドリンクが向きます。胃への合う・合わないは個人差が大きいので、練習で試してから本番に使うのが鉄則です。
Q. 補給すると太りませんか?
A. 運動中に使う糖は、その運動で消費されるエネルギーを補うものです。動く時間と強度に見合った量なら、太る心配は大きくありません。逆に、短い運動で大量に摂ると余りが出るため、量は運動サイズに合わせます。
Q. キプチョゲと同じ補給ドリンクを使えば速くなりますか?
A. 同じ製品を使っても、彼のスピードや量がそのまま手に入るわけではありません。大事なのは「早めに、こまめに、糖を切らさない」という考え方です。自分の競技に合った量とタイミングを、練習で作り込むことが近道です。
まとめ — 真似するのは「量」ではなく「考え方」
- キプチョゲはレース中、糖質ドリンクを走りながら摂り続ける(2時間切り挑戦では1時間約100gと報道)
- 終盤の失速は根性の問題ではなく、糖(グリコーゲン)の枯渇によるエネルギー切れ
- 目安は運動の長さで変わる。1〜2.5時間で30〜60g/時、それ以上で最大90g/時
- 90gを狙うならブドウ糖+果糖の混合で吸収を増やす。摂り方は早めに・こまめに
- いきなり増やすと胃腸を壊す。練習で少量から慣らし、自分の競技サイズに合わせて引き算する
キプチョゲの1時間100gは、彼の走りを支えるために必要な量であって、私たちがそのまま真似する数字ではありません。
持ち帰るべきは、量そのものではなく「糖を切らさないうちに、早めにこまめに補う」という考え方です。それを自分の競技時間と強度に合わせて調整すること——それが、世界最高のランナーの補給から学べる、いちばん現実的な一歩です。
私は長い練習では、水に溶かした粉飴派です。あなたが90分を超える運動で補給するなら ①ジェル / ②粉飴・スポーツドリンク? コメントで教えてください。
戦う君は、ひとりじゃない。アスリートRPG。
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参考文献・出典
出典リスト(5件)— タップで表示
- Thomas DT, Erdman KA, Burke LM (2016) 「Position of the Academy of Nutrition and Dietetics, Dietitians of Canada, and the American College of Sports Medicine: Nutrition and Athletic Performance」 ─ 運動時間・強度に応じた糖質摂取(30〜90g/時)を示す共同声明。PubMed PMID 26920240
- Jeukendrup A (2014) 「A step towards personalized sports nutrition: carbohydrate intake during exercise」 ─ 複数の糖(ブドウ糖+果糖)で吸収量が増える仕組みの解説。PubMed PMID 24791914
- Viribay A, et al. (2020) 「Effects of 120 g/h of Carbohydrates Intake during a Mountain Marathon on Exercise-Induced Muscle Damage in Elite Runners」(Nutrients)─ 超長時間運動での120g/時摂取と筋損傷の研究。PubMed PMID 32403259
- BBC Sport (2019) ─ エリウド・キプチョゲ、マラソン初の2時間切り(1:59:40・INEOS 1:59 Challenge)の報道。記事リンク
- Runner’s World ─ キプチョゲの補給(モルテン製品の使用・高糖質摂取)に関する報道。記事リンク

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