ロナウドが断っているのは糖質そのものではなく、清涼飲料などの「砂糖」。運動中・前後の糖質はむしろ推奨されています。「断つ」より「選ぶ」——真似する価値はそこにあります。
✅ 本記事で得られること
- ロナウドが実際に「食べているもの・断っているもの」が出典つきでわかる
- 「糖質は摂るべき? 控えるべき?」の混乱が、場面別の使い分けで整理できる
- 専属シェフがいなくても、今日から取り入れられる最初の一歩がわかる
👤 こんな方におすすめ
- 練習で糖質補給をしているが、「一流は糖質を断つ」と聞いて迷っている方
- 清涼飲料や間食がなかなかやめられず、食事の「基準」を持ちたい方
- トップ選手の習慣から、自分に合う要素だけを取り入れたい方
ロナウドって糖質を断ってるんですよね。自分、練習中はスポーツドリンクで糖質を摂ってるんですけど…間違ってるのかなって不安で。
その不安、よくわかる。でも彼が断っているのは糖質じゃなくて「砂糖」。運動中の糖質補給はむしろ正解だよ。
え、砂糖と糖質って別物なんですか? それに、あの人の生活を一般のアスリートが真似するのはさすがに無理じゃないですか?
全部真似する必要はない。彼の食事の実際→考え方→私たちが取り入れる一部、の順で、以下で詳しく見ていこう。
ロナウドの食事の実際 — 何を食べて、何を断っているのか
ロナウドは何を食べて何を断っているのか?
クリスティアーノ・ロナウドが断っているのは砂糖入りの飲み物と間食で、食事の中心は魚・鶏肉などの高タンパクな定番料理。元専属シェフのジョルジオ・バローネは、休日でさえジャンクフードを口にしない例外のない規律を証言しています。
- 食べるもの:鮭やタラなどの魚・鶏肉・卵・野菜が中心の定番料理
- 断つもの:砂糖入りの清涼飲料を、日常では基本的に避ける
- 回数:Business Insider 等の報道では「1日6食」とも伝えられる(報道ベース)
本題に入る前に、ロナウドがどんな選手かを簡単に紹介します。
クリスティアーノ・ロナウドは、ポルトガル出身のプロサッカー選手。マンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリードといった世界最高峰のクラブで得点を量産し、世界年間最優秀選手に贈られる「バロンドール」を5回受賞した、サッカー史に残るスーパースターです。
1985年生まれで、選手寿命が短いといわれるサッカー界にいながら、40歳を超えた今も第一線でプレーを続けています。世界中のアスリートは、これだけ長い現役を支える柱として、ロナウドの食事に注目してきました。
ロナウドの食事について流れている情報を、出典ごとに整理します。
いちばん有名なのは、2021年6月14日の記者会見です。
ヨーロッパ選手権の試合前日、目の前に置かれたコーラのボトルを脇にどけ、水のボトルを掲げて「水を」と促した場面が世界中で報じられました。
この会見をきっかけに、「ロナウド=砂糖入り飲料を断つ選手」というイメージが広く定着しました。
ちなみに「この会見でコカ・コーラの株価が4,000億円下がった」という話も広まりましたが、下落は会見前から始まっており、配当の権利落ち日が主因だったという検証報道もあります。逸話は逸話として、割り引いて見るのが安全です。
食事の中身はどうでしょうか。
ユベントス時代に専属シェフを務めたジョルジオ・バローネは、取材で「休日でさえジャンクフードは決して食べない」という趣旨の証言をしています。
複数のメディアは「食事は1日6食」とも報じてきました。本人の公式発言ではなく報道による情報ですが、少量ずつ規則正しく食べている点はどの証言にも共通しています。
メニューとして報道されているのは、鮭やタラなどの魚、鶏肉、卵、野菜が中心です。
本人が「故郷を思い出させてくれる」と語る好物は、干し鱈と卵とポテトを合わせたポルトガルの家庭料理「バカリャウ・ア・ブラース」。
元チームメイトのパトリス・エヴラの逸話も有名です。
エヴラは、ロナウドの自宅に昼食に招かれた時のことを「出てきたのはサラダとプレーンな鶏肉と水だけ。食後はすぐ庭でトレーニングだった」と、笑い話として振り返っています。
どの証言を見ても、ロナウドの食事は豪華さではなく「シンプルな定番を、規律正しく繰り返す」ことで成り立っています。
ロナウドがここまで徹底できる理由を、彼の考え方から見ていきます。
なぜ控えるのか — ロナウドの考え方
なぜロナウドは食事をそこまで徹底するのか?
ロナウドにとって体は競技を続けるための資本。だから「砂糖入り飲料のような、体づくりに貢献しない摂取」を削っています。元専属シェフのバローネは、彼に専属栄養士は不要で自分の体に何が必要か理解していた、という趣旨を証言しており、知識より規律が核だとわかります。
ロナウドの食事管理の考え方を一言でいえば、「体は商売道具」です。
40歳を超えても第一線でプレーを続けるために、ロナウドは体に入れるものを選び抜いています。
シェフのバローネは、興味深い証言をもう一つ残しています。
ロナウドには専属栄養士がおらず、自分の体に何が必要かを自分で分かっていた、という趣旨です。
ロナウドの食事管理の中心にあるのは、特別な秘密のメニューではなく「自分の体との対話」と「例外を作らない規律」です。
では、ロナウドはなぜ数ある食品の中で「砂糖入り飲料」を目の敵にするのでしょうか。
清涼飲料の糖はかまずに飲めるので、満腹感を得にくいまま量を摂りやすくなります。
しかも清涼飲料には、体づくりに必要なタンパク質やビタミン・ミネラルがほとんど含まれていません。
世界保健機関(WHO)も2015年のガイドラインで、砂糖などの遊離糖を1日のエネルギーの10%未満に抑えるよう勧告しています。
砂糖入り飲料は、削っても競技力を失わず、削った分だけ体脂肪管理が楽になります。アスリートにとって最も削りやすいムダです。
ここで一つ、大きな疑問が残ります。「糖質は運動に必要」と聞いてきたのに、砂糖を断っていいのか。続いて、この誤解を解きます。
誤解の核心 — 断っているのは「糖質」ではなく「砂糖」
アスリートは糖質を制限すべきなのか?
ロナウドが断っているのは砂糖であって、糖質全般ではありません。米国スポーツ医学会などの共同声明(2016)は、アスリートにトレーニング量に応じた糖質摂取を推奨しています。「糖質制限のお手本」と読むのは誤解です。
- 糖質:ごはん・果物なども含む広い栄養素。運動の主要なエネルギー源
- 砂糖:清涼飲料や菓子に加えられる糖。WHOは摂取を1日エネルギーの10%未満に勧告
- 運動時:米国スポーツ医学会などの共同声明(2016)は、運動量に応じた糖質摂取を推奨
ここが本記事の核心です。糖質と砂糖を分けて見ていきます。
「糖質」と「砂糖」は、同じものではありません。
糖質は炭水化物の主成分で、ごはん・パン・果物・いも類にも含まれる、運動の主要なエネルギー源です。
一方、報道でロナウドが避けているとされるのは、清涼飲料や菓子に「加えられた糖」、いわゆる砂糖です。
実際、報道されている彼の食事には、全粒系の主食や果物といった糖質を含む食品が普通に登場します。
ロナウドはエネルギー源としての糖質を摂り、体づくりに貢献しない砂糖だけを削っている。これが実際の姿に近い読み方です。
スポーツ栄養の公的な指針も、この読み方を裏付けます。
米国スポーツ医学会(ACSM)などが出した共同声明(2016)は、アスリートに対して、トレーニングの量と強度に応じた糖質摂取を推奨しています。
糖質の種類や、競技での使い分けの全体像は、アスリート向けの糖質ガイドで詳しく整理しています。
「一流選手が糖質を断っている」とだけ聞いて練習中の補給まで削ってしまうと、エネルギー切れでパフォーマンスも回復も落ちる方向に働きます。削る対象を間違えないことが大切です。
マルトデキストリンやブドウ糖のような「速い糖質」も同じです。
マルトデキストリンやブドウ糖は、練習中・練習直後にエネルギーを素早く補給するためのもので、日常の砂糖入り飲料とは役割がまったく違います。
「砂糖を断つこと」と「練習中に糖質を摂ること」は、矛盾なく両立します。
糖質をいつ摂り、いつ控えればいいのかを、場面別に整理します。
場面別・糖質との付き合い方 — 摂るときと控えるとき
糖質はいつ摂って、いつ控えるべきか?
糖質は場面で答えが変わる栄養素です。練習前後と練習中は摂る価値が大きく、体を動かさない時間帯の砂糖入り飲料は削る価値が大きい。米国スポーツ医学会などの共同声明(2016)も、運動量に応じて糖質量を調整する考え方を示しています。
糖質は「摂るべきか、控えるべきか」を一律に決められない栄養素です。
目的と場面によって、結論が正反対になるためです。
| 場面 | 糖質との付き合い方 |
|---|---|
| 練習前 | 摂る。主食でエネルギーを確保してから動く |
| 長い練習の最中 | 摂る価値が大きい。スポーツドリンクや粉飴などの速い糖質が働く場面 |
| 練習直後 | 摂る。糖質とタンパク質を合わせて回復に回す |
| 体を動かさない時間・夜 | 砂糖入り飲料・間食は控える価値が大きい。ロナウドが削っているのはここ |
| 減量期 | 自己流で大きく削らない。体重階級や体調が絡むため、専門家(管理栄養士・医師)と調整する |
「摂る」も「控える」も、どちらかが間違いなのではありません。
練習の時間帯には糖質を摂り、動かない時間帯には砂糖を削る。場面で使い分けるのが正解です。
練習中・直後の「速い糖質」の使い方は、こちらで詳しく解説しています。
ここまでで、何を削り何を残すかを整理しました。最後に、専属シェフのいない私たちが何から始めればいいかを見ていきます。
私たちが今日から取り入れられること — 全部は真似しない
ロナウドの食事法から一般アスリートは何を取り入れるべきか?
取り入れる価値が最も大きいのは「飲み物の砂糖を水に置き換える」ことです。1日6食や専属シェフの再現は不要。練習まわりの糖質は削らず、動かない時間の砂糖だけを削る——これがロナウドの食事法から持ち帰れる核心です。
- 最優先:飲み物の砂糖を水・お茶に置き換える(WHOも遊離糖の削減を勧告)
- 削らない:練習前・中・直後の糖質はエネルギー源として残す
- 任せない:6食や分割睡眠などの特殊な習慣は、環境が違う私たちには必須ではない
ロナウドの生活をまるごと真似する必要はありません。むしろ「引き算」で考えます。
まず、真似しなくていいものから整理します。
専属シェフ、1日6食の徹底、報道されている独自の分割睡眠。これらは、ロナウドの環境だから成り立つやり方です。
特に分割睡眠は、仕事や学校がある生活では負担が大きく、万人向けではありません。
その上で、私たちが持ち帰れるのは、上の図の3ステップです。
続けるコツは、意志力に頼らず「仕組み」にすることです。
家に砂糖入り飲料を置かない。練習バッグには水と補給用の糖質だけを入れる。
ロナウドの強さの中心が「例外を作らない規律」だったように、私たちも先に環境を整えたほうが続きます。
飲み物を替えるだけなら今日からできますね。練習中のスポーツドリンクはそのままでいいって分かって安心しました。
そう、削る場所を間違えないこと。練習まわりの糖質は味方、動かない時間の砂糖は削りどころ。この区別だけ持ち帰ってほしい。
よくある質問
Q. 果物の糖も控えたほうがいいですか?
A. 世界保健機関(WHO)の勧告(2015)が削減対象とする「遊離糖」は、加工食品に加えられた糖やジュースの糖が中心です。果物をそのまま食べる分の糖は同じ扱いではなく、ビタミンや食物繊維も摂れます。まず削るなら清涼飲料からです。
Q. ゼロカロリーの飲料なら飲んでもいいですか?
A. 砂糖の摂取量を減らす目的では選択肢になります。ただし甘い味への習慣は残るため、水やお茶を基本にして、切り替えの途中経過として使うのが現実的です。
Q. 減量中でも練習中の糖質は摂るべきですか?
A. 米国スポーツ医学会などの共同声明(2016)は、糖質量を「トレーニング量に応じて調整する」考え方を示しています。練習の質を保ちたい場面の糖質は残し、削るなら動かない時間帯から。減量幅が大きい場合は管理栄養士や医師に相談してください。
Q. ロナウドのように食事回数を増やすべきですか?
A. 「1日6食」は複数のメディアで報じられている彼のやり方で、万人の正解ではありません。仕事や学校がある生活では、今の食事回数のまま「中身と飲み物」を整えるほうが続きます。
Q. 砂糖を完全にゼロにしないとダメですか?
A. WHOの勧告(2015)も「ゼロ」ではなく「エネルギーの10%未満」という上限の考え方です。試合後の楽しみまで我慢する必要はありません。毎日の飲み物のような「積み重なる砂糖」から減らすのが優先です。
まとめ — 「断つ」より「選ぶ」
- ロナウドが断っているのは砂糖入り飲料と間食。食事はシンプルな定番の繰り返し
- 強さの本体は特別なメニューではなく「例外を作らない規律」
- 糖質と砂糖は別物。運動量に応じた糖質摂取は公的な指針でも推奨されている
- 練習まわりの糖質は残し、動かない時間の砂糖を削る——場面での使い分けが正解
- 最初の一歩は「飲み物を水に置き換える」。意志力ではなく環境から変える
「一流がやっているから断つ」のでも、「必要だから何でも摂る」のでもありません。
自分の練習と生活に合わせて糖質を「選ぶ」ことが、ロナウドの食事から持ち帰れる、いちばん現実的な学びです。
ちなみに私は、練習中の補給は水に溶かす粉飴派。あなたが練習中に飲むなら ①スポーツドリンク / ②粉飴・ジェル? コメントで教えてください。
戦う君は、ひとりじゃない。アスリートRPG。
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参考文献・出典
出典リスト(8件)— タップで表示
- Thomas DT, Erdman KA, Burke LM (2016) 「Position of the Academy of Nutrition and Dietetics, Dietitians of Canada, and the American College of Sports Medicine: Nutrition and Athletic Performance」 ─ アスリートの糖質摂取をトレーニング量に応じて推奨する共同声明。PubMed PMID 26920240
- WHO (2015) 「Guideline: Sugars intake for adults and children」 ─ 遊離糖の摂取を総エネルギーの10%未満に抑える勧告。WHO公式ページ
- CBS News (2021) ─ EURO2020 記者会見(2021年6月14日)でのコカ・コーラのボトル移動の報道。記事リンク
- Forbes (2021) ─ 「株価下落はロナウドが原因ではない」とする検証記事(配当権利落ち日の影響)。記事リンク
- Covers.com ─ 元専属シェフ ジョルジオ・バローネ独占インタビュー(休日もジャンクフードを摂らない規律・専属栄養士不在の証言)。記事リンク
- Business Insider Japan ─ 「1日6食」等の食生活に関する報道(ESPN FC / AS 引用)。記事リンク
- GiveMeSport ─ パトリス・エヴラが語った「ロナウド宅の昼食」逸話(ITV ポッドキャスト由来)。記事リンク
- SPORTbible ─ 好物バカリャウ・ア・ブラースについての本人コメント/息子の清涼飲料に関する本人発言の報道。記事リンク
この記事の用語
本文の点線つきの語をタップすると、同じ説明がその場に出ます。
- 遊離糖(free sugars)
-
食品の加工時に加えられた糖やジュースの糖を指す分類で、果物そのものに含まれる糖は入らない。WHO(2015)はこの遊離糖の摂取量を、総エネルギーの10%未満に抑えるよう勧告している。
この記事では、ロナウドが断っている「砂糖」とほぼ同じ意味で使われ、WHOの10%未満勧告の根拠になっている。
- 砂糖(added sugar)
-
清涼飲料や菓子などに加工の過程で加えられる糖で、体づくりに使われるタンパク質やビタミン・ミネラルをほとんど含まない。ごはんやパンなど主食に含まれる糖質とは別物。
この記事では、ロナウドが断っているのはこの「砂糖」で、運動前後に摂る糖質とは区別される、という誤解の核心にあたる。
- マルトデキストリン
-
デンプンを分解して作られる、消化・吸収が速い糖質の一種。運動中や運動直後に、体へすばやくエネルギーを届ける目的で使われる。
この記事では、ブドウ糖と並ぶ「速い糖質」の例として登場し、日常の砂糖入り飲料とは役割が違うことを示している。
- 配当の権利落ち日(ex-dividend date)
-
その日を過ぎて株を買っても、直近の配当を受け取れなくなる基準日のこと。この日を境に、理論上は配当額の分だけ株価が下がりやすい。
この記事では、ロナウドの記者会見後にコカ・コーラの株価が下がった件について、会見そのものではなくこの基準日が主因だったという検証報道の説明に使われる。

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