800m・水泳・ラクロスなど、勝敗が30秒から12分でつく種目で、後半にスピードが落ちる方へ。クエン酸ナトリウムは血液をアルカリ性に傾け、筋肉から出る酸を血液側で受け止めます。最大の力は上がりませんが、終盤の落ち込みが小さくなります。
✅ 本記事で得られること
- 終盤の落ち込みが小さくなる ── 男子大学ランナー17名の5km走が30.6秒縮んだ条件をそのまま再現できる
- 自分の種目が対象外だと分かれば、効かないものに払わずに済む
- 量と時刻が1つに決まるので、本番前に何時に何gかで迷わなくなる
- 腹の症状が出やすい時間帯を外す組み立てが分かり、スタート時に症状を残さずに試せる
👤 こんな方におすすめ
800mの最後の直線で毎回動かなくなるんです。クエン酸ナトリウムを飲むと、そこが変わると聞いたんですけど本当ですか?
終盤の落ち込みが小さくなった報告はあります。ただし効くのは種目の長さが合う場合だけで、量も飲む時刻も1つに決まっています。
試合前にお腹が痛くなったら終わりです。そこが一番こわいんですけど…
症状が出やすいのは飲んでから30分から60分のあいだです。3時間前に飲み終える組み立てなら、スタートには残りません。順に見ていきましょう。
クエン酸ナトリウムが効く可能性があるのは、30秒から12分で決着する種目
クエン酸ナトリウムはどんな種目で意味があるのか?
- 対象:30秒から12分で終わる高強度の運動
- 対象外:30秒の単発と、20分を超える一定ペースの運動
- 例:中距離走・水泳・ボート・自転車・柔道やレスリングなどの組み技
血液を緩衝する補給が効くのは、限られた長さの運動だけです。自分の種目がその長さに入っているかどうかで、この記事を読み進める意味が決まります。
終盤に脚が動かなくなる、最後の1本でタイムが落ちる。こうした落ち込みに補給で対処できるのは、決着までの時間が数十秒から十数分の範囲にある種目です。
学会の文書が挙げているのは30秒から12分の高強度
国際スポーツ栄養学会が血液を緩衝する補給についてまとめた見解では、効果が確立しているのは30秒から12分続く高強度の運動とされています[7]。
具体的に挙がっているのは高強度の自転車・ランニング・水泳・ボートと、ボクシング・柔道・空手・テコンドー・レスリングです。ただしこの文書が用量まで示しているのは炭酸水素ナトリウムで、クエン酸ナトリウムを直接扱ってはいません。血液を緩衝するという狙いは同じなので、対象になる運動の長さはクエン酸ナトリウムにも重なると考えられます。
30秒の単発と、20分を超える一定ペースの種目は対象から外れる
同じ文書は、30秒の単発では効果がないこと、20分を超える運動でも効果は小さいことを明記しています[7]。ただし20分超でも、終盤にスプリントが入る競技は例外として扱われています。重量を持ち上げて終わる種目やフルマラソンは、クエン酸ナトリウムの対象に入りません。
自分の種目を、決着までの時間で当てはめる
| 決着までの時間 | 種目の例 | 対象になるか |
|---|---|---|
| 30秒〜12分 | 400m・800m・1500m走、水泳100〜400m、ボート2000m、自転車のトラック種目 | 対象 |
| 短い全力を何度も繰り返す | 柔道・レスリングの連戦、サッカー、ラクロス、バスケットボール | 対象 |
| 20分超で終盤にスプリントが入る | ロードレース、トラック長距離 | 条件つきで対象 |
| 数秒〜30秒の単発 | ウエイトリフティング、砲丸投げ、100m走 | 対象外 |
| 20分超で一定ペース | フルマラソン、トライアスロン | 対象外 |
自分の種目が上の3行のどれかに入っているなら、この先の量・時刻・形の話がそのまま使えます。下の2行にいるなら、量も時刻も正しく守ったところで、効くと報告されている運動の外側にいることになります。
自分の種目が対象の行に入っていた方に向けて、試験で何がどれだけ変わったのかを先に見ておきます。
効いた試験では、5km走が30.6秒速くなり、繰り返しスプリントの落ち込みが小さくなった
クエン酸ナトリウムで実際に変わったのは何か?
クエン酸ナトリウムで動いたのは、終盤の落ち込みでした。試験で変わったのは最大の力ではなく、力の落ちにくさです。
男子大学ランナー17名で、トレッドミル5km走が30.6秒短縮した
よく訓練された男子大学ランナー17名に、体重1kgあたり0.5gを1リットルの溶液にして運動の2時間前に摂取させた試験があります。トレッドミルでの5km走は1153.2秒で、プラセボの1183.8秒より約30.6秒速くなりました(p=0.01)[5]。
タイムに直すと、19分43秒が19分13秒になった計算です。5kmの種目では、30秒は自己ベストが動く幅にあたります。
男子サッカー選手20名では、最低パワー出力と低下率が改善した
男子サッカー選手20名に同じ量を競技の180分前に摂取させた試験では、繰り返しスプリントの最低パワー出力(p=0.024)と低下率(p=0.023)が改善しました[6]。
この試験では、最大パワーと平均パワーは変わっていません。つまり、クエン酸ナトリウムで期待できるのは「1本目が速くなる」ことではなく、「最後の1本が落ちにくくなる」ことです。終盤に落ちにくいので、連戦や、後半に何度も走り直す競技に向いています。
個別に見ると結果は割れています。血液をアルカリ性に傾ける補給を横断的にまとめた解析では、クエン酸ナトリウムについて16研究・45推定を集計し、パフォーマンスへの効果は0.0%(±1.3%)で「不明確」と判定されています[4]。新しい研究者たちは「古い試験の多くは、血液のアルカリ化が頂点に届く前に走らせていた」と説明を試みていますが、効果を報告した5kmの試験は頂点より手前の2時間前に摂取しており[5]、時刻だけで割れ方の全部は説明できません。飲めば必ず速くなる、と言える段階にはありません。試すなら練習日に自分の体で確かめる、という前提で読んでください。
ここからは、効果が出た試験で使われていた量・時刻・形を順に見ていきます。
量は体重1kgあたり0.5g ─ 70kgで35g、増やしても効きは頭打ちになる
クエン酸ナトリウムは何gを摂取するのか?
- 量:体重1kgあたり0.5g
- 体重70kgなら:1回35g。60kgなら30g
- 増やした場合:900mg/kgでは消化器症状だけが強くなり、アルカリ化は進まない
量は体重1kgあたり0.5gで確定しています。効いた試験も、時刻を調べた試験も、形を比べた試験も、すべてこの量で行われています。
体重70kgなら1回35g、60kgなら30g
自分の体重に0.5をかけた数字が、そのままグラム数になります。体重70kgなら35g、60kgなら30g、50kgなら25gです。大さじで測る量ではないので、はかりで量ります。
900mgまで増やしても、血液のアルカリ化はそれ以上進まない
用量を2水準で比べた試験があります。体重1kgあたり500mgと900mgを比べたところ、900mgのほうが消化器の症状は有意に強くなった一方(p=.004)、血液のアルカリ化はそれ以上進みませんでした[3]。
つまり、多く飲んでも得られるのは腹の症状だけです。0.5g/kgを超えて増やす理由はありません。
マグネシウムのように、クエン酸と結びついた形のサプリメントは他にもあります。目的が吸収なのか緩衝なのかで選ぶ形が変わります。ミネラルを補う目的なら、マグネシウムサプリの3形態の比較のほうが近い話になります。
量の次は、飲む時刻です。同じ35gでも飲む時刻を外すと、血液のアルカリ化が頂点に届く前にスタートを迎えます。
飲み終わりは競技の150〜270分前 ─ 血液のアルカリ化が頂点に届くのは180分後
クエン酸ナトリウムを摂取してから、効果が頂点に届くのはいつか?
クエン酸ナトリウムは、飲んですぐ効く形の補給ではありません。血液のアルカリ化が頂点に届くまでに3時間かかるため、時刻を外すと効果が出ないまま競技が終わります。
血中の重炭酸イオン濃度は180分、血液pHは210分で頂点に届く
16名を対象にした試験で、血中の重炭酸イオン濃度は飲み終わりから180分後、血液pHは210分後に頂点へ届きました[1]。そして両方とも、150分から270分のあいだは頂点から有意に下がらないまま保たれました。この2時間の幅に、競技の時刻を合わせます。
同じ試験は飲み終わるまでの時間も15分・30分・45分・60分の4通りで比べており、著者の推奨は「60分未満で飲み終え、競技の150〜270分前に完了する」です[1]。飲み始めてから飲み終わるまでを長引かせないことが条件です。
1時間前に飲むと、上がりきる前に走り出すことになる
試合の1時間前に飲めば良い、という感覚で合わせると、血液がまだ上がりきっていない状態でスタートを迎えます。頂点に届くのは飲み終わりから180分後です[1]。用量を守っていても、飲む時刻を間違えれば結果は変わりません。
競技開始の時刻から、逆算して決める
競技の開始時刻から逆算すると、次のようになります。決勝が15時開始なら、飲み終わりを11時から12時半のあいだに置きます。飲み始めは、飲み終わりの60分前より後にしてください。予選と決勝がある日は、どちらに合わせるかを先に決めます。頂点が保たれる幅は2時間しかないため、予選と決勝の両方には合わせられません。
時刻が決まったら、次は飲む形です。
形はカプセルを選ぶ ─ 血液pHが高く上がり、味の負担が小さい
クエン酸ナトリウムはカプセルと溶液のどちらがいいのか?
カプセルのほうが血液は高く上がり、飲むときの負担も小さくなります。ただし、カプセルは消化器の症状を防ぐための形ではありません。この点は、日本語の解説でも取り違えられやすいところです。
カプセルのほうが血液pHは高く上がる
24名に体重1kgあたり500mgを、カプセルと溶液の2通りで摂取させた試験があります。血液pHの頂点はカプセル7.490に対し溶液7.472、血中の重炭酸イオン濃度の頂点は30.4に対し29.3ミリモル毎リットルで、いずれもカプセルが上でした[2]。
ただし頂点に届く時刻はカプセルのほうが遅く、血液pHで199分に対し175分でした。前の章の逆算は、カプセルで飲む前提の数字です。
カプセルと溶液の差が一番大きく出たのは、味の評価だった
9点法で評価した味はカプセル6.3に対し溶液3.5で、この試験で最も差が開いた項目です[2]。35gの塩を水に溶かして試合前に飲み干す作業を想像すれば、数字が開いた理由は分かります。ゼラチンカプセルに詰めて、水と一緒に飲み下す形が現実的です。
症状の山は摂取後30〜60分なので、3時間前に飲めばスタートには残らない
サッカー選手20名の試験では、消化器症状はプラセボと比べて摂取から30分後と60分後に有意に高く、90分・120分・150分・180分では差がありませんでした[6]。
つまり、150〜270分前という組み立てには、症状の山を競技の時刻からずらす意味もあります。腹の症状が心配で試せなかった人にとって、一番役に立つのはこの時刻の組み立てです。逆に、直前に飲めば症状だけを持ってスタートに立つことになります。
消化器症状の合計はカプセル5.8に対し溶液5.2で、有意差はありませんでした[2]。食欲の低下にいたっては、カプセルのほうが多く報告されています。カプセルは飲みやすくする道具であって、腹の症状そのものを減らす道具ではありません。症状を避ける手段は、形ではなく時刻のほうです。
最後に、摂取の前に確かめておくことをまとめます。
摂取の前に確かめるのは、ナトリウム量・持病・練習日での試しの3つ
クエン酸ナトリウムの0.5g/kgは、体にとってどれくらいの量か?
- 1回量:体重70kgで35g
- ナトリウム:そのうち約8.2g
- 相談が要る人:高血圧・腎機能の低下・心不全・むくみがある方
この手段で一番大きい代償は、ナトリウムの量です。使うかどうかは、次の数字を見てから決めてください。
35gのうち、約8.2gがナトリウムになる
クエン酸三ナトリウム二水和物は分子量294.10で、そのうちナトリウム3原子が占める割合は重量の約23.5%です[8]。体重70kgで1回35gを摂取すると、ナトリウムはおよそ8.2gになります。1日の食事から摂取する量とは桁が違う、一度の負荷です。
高血圧・腎機能の低下・心不全・むくみがある方は、摂取前に医師へ相談する
本番でいきなり試さず、練習日に同じ量・同じ時刻で一度通す
消化器症状には個人差があり、同じ量でも出る人と出ない人がいます[3]。試すなら、まず結果に影響しない練習日に、本番と同じ量・同じ時刻で一度通してください。そこで腹に何も起きなければ、本番で使える手段が1つ増えたことになります。
日本で流通しているクエン酸ナトリウムは、pHを調整する食品添加物としての販売が中心です。この量を人が一度に摂取することを想定した表示にはなっていません。海外の競技者向け製品と同じものとして扱わないでください。
よくある質問
Q. クエン酸を飲むのでは同じことになりませんか?
クエン酸とクエン酸ナトリウムは別物です。この記事で扱った試験は、すべてナトリウムと結びついた形で行われています。酸そのもののクエン酸で同じ結果が出るかを調べた試験は、確認できませんでした。原材料表示では「クエン酸」と「クエン酸Na」が並んで書かれていることもあるので、買う前に見てください。日常で飲む側のクエン酸はアスリートのクエン酸ガイドにまとめています。
Q. 毎日飲んで慣らしておくことはできますか?
この記事で扱った試験は、いずれも競技の前に1回摂取する形で行われています。1,2,5,6 連日摂取した場合の効果と安全性については、本記事では確認できた根拠がありません。日常的に続ける使い方として勧めることはできません。
Q. ドーピング検査で問題になりませんか?
クエン酸ナトリウムは、禁止物質として名指しされている成分ではありません。ただし禁止表は毎年更新されるうえ、サプリメントには製品側の混入という別の問題もあります。この記事の記述を根拠にしないでください。競技者は必ず、その年の最新の禁止表と、製品ごとの第三者認証の有無を、公式の検索窓口(Global DRO・国内の窓口)で自分で確認してください。
まとめ
この記事で押さえたこと
- 効く可能性があるのは30秒から12分で決着する種目。30秒の単発と20分超の一定ペースは対象外
- 効いた試験では、男子大学ランナー17名の5km走が30.6秒短縮し、男子サッカー選手20名の繰り返しスプリントで最低パワーと低下率が改善した
- 量は体重1kgあたり0.5g(70kgで35g)。900mgまで増やしても消化器症状が強くなるだけで、アルカリ化は進まない
- 飲み終わりは競技の150〜270分前。血中の重炭酸イオン濃度は180分、血液pHは210分で頂点に届く
- 形はカプセル。血液pHが高く上がり、味の評価も高い。症状の山は摂取後30〜60分なので、3時間前ならスタートには残らない
- 16研究45推定をまとめた効果量は0.0%で不明確。飲めば速くなる、とは言えない
- 体重70kgで1回35g、ナトリウムにして約8.2g。高血圧・腎機能低下・心不全・むくみのある方は医師へ相談する
自分の種目が30秒から12分で決着し、終盤の落ち込みをこれまで補給で扱ったことがなく、そのうえで高血圧や腎機能の指摘を受けていないなら、次の練習日に、体重1kgあたり0.5gをカプセルで、3時間前に一度だけ通してみてください。そこで腹に何も起きなければ、本番で使える手段が1つ増えます。
私は、本番当日に初めて口へ入れるものは作らない派です。あなたは ①練習で試してから使う / ②そもそも使わない どちらですか? コメントで教えてください。
戦う君は、ひとりじゃない。アスリートRPG。
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参考文献・出典
出典リスト(8件)— タップで表示
- Urwin CS, et al. (2021) 「Does varying the ingestion period of sodium citrate influence blood alkalosis and gastrointestinal symptoms?」 PLOS ONE 16(5):e0251808 ─ 体重1kgあたり500mgをカプセルで、飲み終わりまで15/30/45/60分の4条件。重炭酸イオン濃度は180分、pHは210分で頂点。150〜270分は頂点から有意に下がらない。対象は健康な成人16名。PubMed PMID 33999939
- Urwin CS, et al. (2019) 「Sodium citrate ingestion protocol impacts induced alkalosis, gastrointestinal symptoms, and palatability」 Physiological Reports 7(19):e14216 ─ 体重1kgあたり500mgをカプセルと溶液で比較。pH頂点7.490対7.472、味6.3対3.5、消化器症状5.8対5.2(有意差なし)。対象は成人24名(平均23.4歳)。PubMed PMID 31602822
- Urwin CS, et al. (2016) 「Induced Alkalosis and Gastrointestinal Symptoms After Sodium Citrate Ingestion: A Dose-Response Investigation」 International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism ─ 500mg/kgと900mg/kgの比較。900mgのほうが消化器症状が有意に強い(p=.004)一方、アルカリ化はそれ以上進まない。対象は健常な参加者。PubMed PMID 27098485
- Carr AJ, Hopkins WG, Gore CJ. (2011) 「Effects of acute alkalosis and acidosis on performance: a meta-analysis」 Sports Medicine 41(10):801-814 ─ クエン酸ナトリウムは16研究45推定で効果0.0%(±1.3%)=不明確。炭酸水素ナトリウム0.3g/kgは+1.7%(±2.0%)。対象は各研究の参加者を横断的に集計したもの。PubMed PMID 21923200
- Oopik V, et al. (2003) 「Effects of sodium citrate ingestion before exercise on endurance performance in well trained college runners」 British Journal of Sports Medicine 37(6):485-489 ─ 男子大学ランナー17名・体重1kgあたり0.5gを1Lの溶液で運動2時間前に摂取。トレッドミル5km走が1153.2秒対1183.8秒(p=0.01)。PMC1724692
- Kılıç Y, et al. (2024) 「Effect of Pre-exercise Sodium Citrate Ingestion on Repeated Sprint Performance」 Journal of Strength and Conditioning Research 38(3):556-562 ─ 男子サッカー選手20名・体重1kgあたり0.5gを180分前。最低パワー出力(p=0.024)と低下率(p=0.023)が改善。消化器症状は30分・60分のみ有意に高い。対象は男子サッカー選手20名。PubMed PMID 38241467
- Grgic J, et al. (2021) 「International Society of Sports Nutrition position stand: sodium bicarbonate and exercise performance」 Journal of the International Society of Sports Nutrition ─ 効果が確立しているのは30秒から12分の高強度運動。用量0.3g/kg・摂取時刻は60〜180分前。副作用は膨満感・吐き気・嘔吐・腹痛。PMC8427947
- Jungbunzlauer 「Trisodium Citrate Dihydrate」 製品データ ─ クエン酸三ナトリウム二水和物の分子量294.10。ナトリウム3原子の占める重量比(約23.5%)は分子式から算出した値。Jungbunzlauer
この記事の用語
本文の点線つきの語をタップすると、同じ説明がその場に出ます。
- クエン酸ナトリウム(Sodium citrate)
-
クエン酸とナトリウムが結びついた塩で、体に入ると血液を一時的にアルカリ性へ傾け、運動でたまる酸を血液側で受け止める働きを持つ。
この記事では、量・飲む時刻・カプセルか溶液かの3点で飲み方を決める中心の物質として登場する。
- クエン酸(Citric acid)
-
レモンなどの酸味のもとになる有機酸で、体内のエネルギー代謝に関わる回路の材料になる。クエン酸ナトリウムとは異なり、ナトリウムと結びついていない酸そのものの形。
この記事では、クエン酸ナトリウムと混同されやすい別の物質として、よくある質問で区別されている。
- クエン酸三ナトリウム二水和物(Trisodium citrate dihydrate)
-
クエン酸ナトリウムを、水分子2つと結合した状態まで含めて表す正式な化学名。ナトリウム3原子を含み、重量の約23.5%をナトリウムが占める。
この記事では、35gのうち何gがナトリウムになるかを計算する根拠として登場する。
- 重炭酸イオン(Bicarbonate ion)
-
血液中に存在し、体が酸性に傾くのを防ぐ働きを持つイオン。運動でできる酸を受け止める緩衝の役割を担う。
この記事では、摂取後に血中濃度が180分でピークへ届く指標として登場する。
- 血液pH
-
血液の酸性・アルカリ性の度合いを示す数値。数値が高いほどアルカリ性に傾いていることを表す。
この記事では、摂取後210分でピークに届く指標として、カプセルと溶液の比較にも使われる。
- 炭酸水素ナトリウム(Sodium bicarbonate)
-
血液を一時的にアルカリ性へ傾け、運動でできる酸を受け止める、クエン酸ナトリウムとは別の物質。
この記事では、対象種目の根拠になっている学会文書が、クエン酸ナトリウムではなくこちらに用量を示していることの説明で登場する。
- 禁止表
-
世界アンチ・ドーピング機構が定める、使用が禁止されている物質・方法の一覧。毎年更新される。
この記事では、クエン酸ナトリウムが名指しで禁止されていない一方、確認は自分で行う必要がある根拠として登場する。
- 第三者認証
-
製造元とは別の第三者機関が、製品の中身が表示どおりで禁止物質の混入がないかを検査し証明する仕組み。
この記事では、サプリメントを選ぶ際にドーピング検査での問題を避けるための確認先として登場する。
- Global DRO:Global Drug Reference Online
-
自分が使おうとしている物質や製品が、その時点の禁止表に含まれるかを調べられる公式の検索窓口。
この記事では、クエン酸ナトリウムのドーピング該当有無を自分で確認する手段として案内される。
- プラセボ(Placebo)
-
有効成分を含まない偽の物質で、比較のために本物の代わりに摂取させるもの。効果の差が本物によるものかを見分けるために使う。
この記事では、クエン酸ナトリウムを摂取した群と比べる対照として、5km走やスプリントの試験結果に登場する。
- 有意
-
測定された差が偶然のばらつきでは説明しにくいと、統計的な計算で判断された状態。研究ではこの判定を基準に効果の有無を語る。
この記事では、900mgに増やした時の消化器症状の悪化や、5km走のタイム短縮がこの基準を満たしたかどうかで語られる。
- 分子量(Molecular weight)
-
1つの分子を構成する原子の重さを合計した値。物質の重さの中で特定の原子(ここではナトリウム)が占める割合を計算する時の基礎になる。
この記事では、35gのクエン酸ナトリウムのうち何gがナトリウムかを算出する計算の出発点として登場する。
- 9点法
-
味やにおいなどの感じ方を、1から9までの数字で評価してもらう研究の測定方法。数字が大きいほど評価が高い。
この記事では、カプセルと溶液のどちらが飲みやすいかを比べた試験の、味の評価方法として登場する。


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