ゾーン2ランニング。週4時間なら、ゆっくり走るだけで時間を使い切る必要もない。時計の既定のゾーン2は60〜70%、年齢の式と実際のずれは10拍/分ほど カラダ
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AI協業 本記事は覆面アスリート本人の体験・意見・判断をベースに、AIアシスタント(Claude)の支援を受けて構成・編集しています。
覆面アスリートがお辞儀をしているイラスト
10秒でわかるこの記事の内容

週4時間前後しか走れないランナーへ。この記事で、自分の心拍の目安が決まり、ゆっくり走る時間と強い練習の配分の考え方を、狙うレースの距離に合わせて整理できます。ゾーン2は話せる強さで走る練習で、時計の数字が低すぎて歩くほど遅くなる時も、楽に話せる強さでペースを合わせ直せます。

✅ 本記事で得られること

  • あなたの年齢と話せる強さから、自分のゾーン2の心拍の目安が決まります
  • 限られた週4時間の中で、強い練習を入れるかどうかを、狙うレースの距離で決められます
  • 心拍がいつもより高い日に、ペースを落とすかどうかを迷わず決められます

👤 こんな方におすすめ

  • 仕事があり、走れる時間が週4時間前後の市民ランナー
  • ゾーン2を始めたが、遅すぎて続かない・効果が分からない人
  • 220-年齢で出した心拍と、自分の感覚が合わないと感じている人
ゆっきーが困った顔で相談する
ゆっきー

市民ハーフに出るので、走る練習は週4時間くらいです。流行りのゾーン2を始めたら、遅すぎて歩きそうになります。

覆面アスリートが共感の笑顔
覆面アスリート

時計の「ゾーン2」と、体にとってのゆっくりは、ずれていることがあります。まず自分の心拍の目安を決めましょう。

ゆっきーが疑問の顔で聞き返す
ゆっきー

でも、ゆっくり走るだけで本当に速くなるんですか?週4時間しかないのに。

覆面アスリートが本文へ誘導
覆面アスリート

ハーフに向けた配分は、研究で確かめられている範囲と、まだの範囲を分けて見ていきましょう。

ランニングのゾーン2は、会話ができる強さで走る練習で、時計の「ゾーン2」と研究のZone 2は同じとは限らない

ゾーン2の練習は、話しながら続けられる強さで走る練習です。Garmin や Polar の時計が既定で示すゾーン2(最大心拍の60〜70%)は、人によっては話せる強さの心拍より低く、ペースがかなり遅くなることがあります。

時計のゾーン2どおりに走ると歩きそうになる人がいて、楽に話せた強さの心拍は時計の示す範囲より上にあることを示す図

この記事では、研究や専門家の用語を「Zone 2」、時計の表示を「ゾーン2」と書き分けます。3つに分けた研究のゾーンは「低強度・中強度・高強度」と書きます。

心肺機能そのものの伸ばし方は心肺機能の記事で扱っています。

専門家14人の見解では、Zone 2は第1閾値のすぐ下の強さ

「ゾーン2トレーニング」という言葉には、コーチ・選手・研究者の間で決まった定義がありません。応用スポーツ科学者とプロのコーチ14人がまとめた見解では、Zone 2 は第1閾値のすぐ下で行う練習とされました(Sitko 2025)。

同じ見解は、持続して走る形でも、強さを少し上下させる形でも、短い区切りを挟む形でもよいとしています。Zone 2 で起きる体の変化は、少し上や少し下の強さでも起こりうるとも書かれています。

3つに分ける研究の「ゾーン2」は、第1閾値と第2閾値の間の中くらいの強さを指す

練習の強さを3つに分ける研究では、ゾーン2は第1閾値と第2閾値の間の、中くらいの強さを指します(Casado 2022)。5つに分ける時計や一般の記事のゾーン2とは、名前が同じでも中身が違います。

Garmin と Polar の既定のゾーン2は、最大心拍の60〜70%

Garmin の取扱説明書は、ゾーン2を最大心拍の60〜70%とし、「快適なペース、少し深い呼吸、会話可能」と説明しています[3]。Polar の取扱説明書も、ゾーン2を最大心拍の60〜70%としています[4]。

一方、若い15人を対象にしたトークテストの研究では、快適に話せると答えた段階の心拍は、最大心拍の82±7%でした(Quinn 2011)。時計のゾーンとこの数字を並べたのはこの記事の整理で、論文が比べたものではありません。時計の既定のゾーン2は、話せる強さの心拍より低い人がいます。時計のゾーン2に合わせると歩くほど遅くなる人は、このずれが原因のことがあります。

では、自分に合う心拍の目安は、どうやって決めればいいのか。

ランニングの心拍数の目安は、220-年齢を出発点にして、話せる強さの心拍で直す

ランニングの心拍数の目安は、年齢の式で出した数字を出発点にして、話せる強さの心拍で自分の数字に直します。年齢だけの式は、個人の実測と10拍/分以上ずれることがあります。

文章を区切らずに話しながら走り、その時の心拍を時計で見て、ゾーンの上限の目安にする場面

220-年齢は、約11本の文献と未発表のデータから決められた式

「最大心拍=220-年齢」の式の成り立ちを調べた論文は、この式が原著の研究から作られたものではなく、約11本の文献や未発表のデータを見て決められたものだとしています(Robergs 2002)。

同じ論文によると、年齢から最大心拍を予測する式の誤差は7〜11拍/分あり、年齢だけを使う式の多くは10拍/分を超えます。式で出した数字は、自分の最大心拍から10拍/分ほどずれていてもおかしくありません。

年齢から出す式は複数あり、どの式も個人とのずれが残る

351本の研究・18,712人のデータをまとめた解析では、最大心拍は「208-0.7×年齢」で表されました(Tanaka 2001)。この解析では、220-年齢は年齢の高い人の最大心拍を低く見積もるとされています。

どの式でも個人とのずれは残ります。99回の最大テストを使った研究では、よく使われる9つの式すべてで実測との一致が悪く、著者は可能なら運動負荷試験で実測することを勧めています[8]。

年齢から出した最大心拍と、時計の既定と同じ60〜70%で計算したゾーン2を、年齢ごとに並べると次のとおりです。

あなたの年齢は? 220-年齢 208-0.7×年齢 時計の既定のゾーン2(60〜70%)
※208-0.7×年齢で計算
30歳190拍/分187拍/分112〜131拍/分
40歳180拍/分180拍/分108〜126拍/分
50歳170拍/分173拍/分104〜121拍/分
60歳160拍/分166拍/分100〜116拍/分

表の数字は、式から計算した目安です。実際の最大心拍は、この数字から10拍/分ほど上下していてもおかしくありません。表の値は出発点にして、次の「話せるか」で自分の数字に直します。話せる強さの心拍は、この表の範囲より高いことがあります。

安静時の心拍も使うなら、カルボーネン法で目安を出せる

カルボーネン法は、安静時の心拍も使って目安の心拍を出す方法です。式は「目安の心拍=安静時の心拍+(最大心拍-安静時の心拍)×割合」です[6]。

Garmin・Polar・Apple の時計は、既定ではどれも最大心拍に対する割合でゾーンを表示します。Apple Watch では、ゾーン2〜4の上限と下限を手で直せます[9]。

ゾーン2の上限は、文章を区切らずに楽に話せる強さで確かめる

トークテストは、文章を声に出しながら走り、楽に話せるかで強さを確かめる方法です。健康な16人の研究では、話すのが難しくなり始めた時点が、ほぼ換気閾値と一致しました(Persinger 2004)。別の研究では、話せる段階の心拍は換気閾値より高く出ており[5]、トークテストで分かるのは強さのおおまかな境目です。

ゾーン2の練習では、文章を区切らずに楽に話せる強さで走り、その時の心拍を時計のゾーンの上限の目安にします。研究では話せる強さが閾値より上に出ることもあるので、話せる強さの心拍はゾーン2の上限の目安で、目標ではありません。時計の数字と話せる強さがずれたら、話せる強さを優先します。

心拍の目安が決まると、次に気になるのは、ゾーン2がほかの強さより特別に効果的なのかどうかです。

ゆっくり走る量はエリートの記録と強く結びつくが、ゾーン2だけが特別に効果的とは言えない

世界レベルを含むエリートランナーでは、ゆっくり走る量が記録と強く結びついています。一方、市民ランナーを含む研究では、強さの配分の型による記録の差ははっきりしていません。

週4時間走る人は、2025年の総説の対象(持久系の練習をしていない一般の人)に当たらないことを示す図

エリートランナーの記録は、ゆっくり走る量と強く結びついている

世界レベルを含む男子長距離ランナー85人の練習を調べた研究では、記録との結びつきの強さは、総距離が r≥0.75 で最も強く、ゆっくり走った距離が r≥0.68、短いインターバルが r≥0.53、テンポ走が r≥0.50 でした(Casado 2021)。

ただしこの研究は、選手が思い出して答えた練習量と記録の関係を見たもので、ゆっくり走れば速くなるという原因と結果を確かめたものではありません。対象も世界レベルの選手で、週4時間の市民ランナーとは練習量が大きく違います。

ポラライズド型とピラミッド型で、持久系の競技者のタイムトライアルの差は小さい

練習の強さの配分には、低強度と高強度に分けるポラライズド型と、低・中・高の順に時間を減らすピラミッド型があります。

ランナーに限らない持久系の13の研究・348人(うち市民150人)の個人データをまとめた解析では、ポラライズド型とピラミッド型の間で、最大酸素摂取量にもタイムトライアルにも差がありませんでした(Rosenblat 2025)。元の研究の一部が重なる17研究・437人の解析でも、タイムトライアルの差はありませんでした[14]。この解析では、最大酸素摂取量はポラライズド型がやや高めでしたが、12週未満の研究とよく鍛えた選手での結果です。

市民ランナー30人をポラライズド型と閾値間型の2群に分けた10週間の研究でも、10kmのタイムは両方の群で縮み、群の間の差ははっきりしませんでした[15]。配分を最もよく守った少人数の追加の分析ではポラライズド型の伸びが大きく、著者はその可能性を述べていますが、主な分析では差が出ていません。市民ランナーでは、型の違いによる記録の差は、はっきりしていません。

Zone 2 だけが特別だという声は、エリートの観察データから来ていると2025年の総説は指摘した

Storoschuk らの総説は、一般の人を対象に、Zone 2 がミトコンドリアの働きと心肺の体力を高める最適な強さかを検討しました(Storoschuk 2025)。

この総説は、Zone 2 を推す声の多くが、Zone 2 を大量にこなすエリート持久系選手の観察データから来ていると指摘しています。そのうえで、高い強度の運動にも同じ効果を示す証拠が多いことを理由に、Zone 2 が最適な強さだとは支持できないと結論しました。

結論には、心臓と代謝の健康のために、練習量が少ない場合は特に、Zone 2 より高い強度を優先することが重要だと書かれています。

週4時間走るランナーは、この総説の対象に当たりません。

この総説が対象にしたのは持久系の練習をしていない一般の人で、練習量の目安として、身体活動の指針どおりの週約150分の人を挙げています。レースの記録も扱っていません。系統的に文献を集めた研究ではなく、著者のひとりは運動関連の会社の顧問を務めていると開示しています。結論は「最適ではない」で、「効果がない」ではありません。

では、週4時間しか走れない人は、何を基準に時間を割り振ればいいのでしょうか。

週4時間しか走れない人は、狙うレースの距離でゾーン2と強い練習の配分を決める

週4時間前後しか走れない人は、狙うレースの距離を基準に、ゆっくり走る時間と強い練習の時間のどちらを多くするかを決めます。この記事で引いた研究には、週4時間前後の配分を1つの割合で示したものはありません。

距離を減らして強い練習に置き換えた研究で縮んだのは5kmと1500mで、ハーフ・フルでは確かめられていないため、ハーフに出る人はその結果をそのまま当てはめないことを示す図

強い練習でも、持続した練習と同じかそれ以上に最大酸素摂取量は伸びる

28研究・723人の解析では、運動しない人と比べた最大酸素摂取量の伸びは、持続的な持久トレーニングが +4.9 mL/kg/分、高強度インターバルが +5.5 mL/kg/分でした(Milanović 2015)。

運動習慣のない男性を対象にした研究では、20秒の全力を3本行う10分の練習と、45分の自転車の練習で、どちらも最大酸素摂取量が19%上がりました(Gillen 2016)。強い練習は、短い時間でも体力を伸ばせる選択肢です。

距離を半分以下にして強い練習に置き換えても、市民ランナーの5kmは縮んだ

週に約30km走っていた市民ランナー18人(強い練習の群10人・比べる群8人)の研究では、練習を「30秒ゆっくり・20秒中くらい・10秒ほぼ全力」を5分続ける形に置き換え、週の距離を54%減らしました(Gunnarsson 2012)。

7週間後、5kmは48秒、1500mは21秒縮みました。ただし対象は少人数で期間も短く、ハーフやフルのような長いレースで同じ結果になるかは確かめられていません。

狙うレースの距離で、ゆっくり走る時間と強い練習の時間の配分は変わる

同じ週4時間でも、狙うレースによって配分の考え方は正反対になります。どちらかが間違いではなく、目的に合わせて選ぶ話です。

あなたの目的は? 時間の使い方 なぜそう考えるか
5kmのタイムを縮めたい 強い練習に回す時間を増やせる 距離を54%減らして強い練習に置き換えても、市民ランナーの5kmが48秒縮んだ
ハーフ・フルを走りきりたい・記録を出したい ゆっくり走る時間を多めに残し、強い練習は少なめに入れる この記事で確認した範囲では、長いレースで強い練習に置き換えた研究は無い。エリートの相関研究では、記録は総距離・ゆっくり走る量と強く結びつき、テンポ走・短いインターバルとも結びついていた
心肺の体力(最大酸素摂取量)を上げたい 強い練習を週の中に入れる 強い練習でも、持続した練習と同じかそれ以上に最大酸素摂取量が伸びた(主に若い成人と運動習慣のない人の研究)

市民ランナーの研究では、ポラライズド型の群は、第2閾値を超える強さの時間が練習時間の約2割でした[15]。

この群と閾値間型の群との記録の差ははっきりしていません。また、市民アスリートの一部の分析では、ピラミッド型の方が最大酸素摂取量が伸びる可能性も示されています[13]。

配分は1つの割合に決めず、狙うレースの距離で選びます。

強い練習の組み方は耐乳酸トレーニングの記事で、ゆっくり走る練習で育つ持久力の仕組みは毛細血管の記事で扱っています。

配分を決めても、心拍がいつもと違う日はあります。

同じペースで心拍がいつもより高い日は、暑さと水分不足を先に疑う

いつもと同じペースなのに心拍が高い日は、暑さか水分不足が重なっている可能性があります。35℃の中で同じ強さで自転車をこぎ続けた研究では、30分の間に心拍が11%上がりました[19]。

心拍がいつもより高い暑い日に、ペースを守ると心拍が目安を越え、ペースを落とすと目安の手前に収まることを示す比較

暑い日は、同じ強さでも運動している間に心拍が上がっていく

鍛えた男性10人が同じ強さで自転車をこいだ研究では、15分から45分の間に、35℃では心拍が11%、22℃では2%上がりました(Lafrenz 2008)。暑い日は、同じ強さでも運動中に心拍が上がっていきます。

汗で失った水分が多いほど、心拍は上がる

鍛えた自転車選手8人に水分の量を4通りに変えて2時間運動してもらった研究では、2時間で体重が1〜4%減った条件で、体重が減った割合と心拍の上がり方がほぼ比例しました(Montain 1992)。心拍の数字を見る時は、その日の暑さと水分のとり方も一緒に振り返ります。

心拍がいつもより高い日は、心拍の目安を守ってペースを落とすのが、ゾーン2の練習の目的に合います。ペースを守って心拍を上げると、その日の練習はゾーン2から外れます。

心拍には日によって小さな変動があり、走っている間にも少しずつ上がっていきます。練習のやりすぎで疲労が抜けない状態(オーバーリーチング)では、最大より低い強さの心拍が上がるか下がるかは、研究によって結果が一致していません[21]。

手首の心拍計は、汗を拭き、きつすぎず緩すぎない位置に着けると正確に測りやすい

Apple は、手首と Apple Watch が汗や水で濡れていると心拍数が正確に記録されないとしています。背面が皮膚に触れるよう、きつすぎず緩すぎない位置に着けることも求めています(Apple サポート)。

時計の既定のゾーン2が話せる強さより低い時も、Apple Watch なら、話せる強さで確かめた心拍を、ゾーン2の上限として手で設定できます。走りながら手首でその数字を確かめれば、ゆっくり走る日に心拍が上がりすぎていないかを、その場で調整できます。

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よくある質問

Q. ゾーン2で走ると遅すぎて、歩いてしまいます。歩いてもいいですか?

A. 時計の既定のゾーン2(最大心拍の60〜70%)が、あなたの話せる強さより低い可能性があります。まず文章を区切らずに楽に話せる強さで走り、その時の心拍を時計のゾーンの上限の目安にします。研究者の見解では、Zone 2 の練習は持続して走る形に限らず、強さを上下させる形でもよいとされています[1]。

Q. ゾーン2は、脂肪を燃やす力を高めるのに一番いい強さですか?

A. 2025年の総説は、運動習慣の少ない一般の人について、Zone 2 がミトコンドリアと脂肪の酸化の力を高める最適な強さだとは支持できないと結論しています[11]。高い強度の運動でも同じ方向の変化が報告されているためです。この総説の対象は、ランナーではありません。

Q. フルマラソンを目指していても、強い練習を増やしていいですか?

A. フルを目指すなら、ゆっくり走る時間を多めに残し、強い練習は少なめに入れます。距離を減らして強い練習に置き換えた研究は、5kmと1500mで記録が縮んだという結果で、フルマラソンでは確かめられていません[17]。確かめられている範囲では、エリートランナーの記録は、ゆっくり走る量に加えて、テンポ走や短いインターバルとも結びついていました[12]。

Q. 心拍計を持っていない時は、どうやって強さを決めればいいですか?

A. トークテストで決めます。快適に話せる時は換気閾値や乳酸閾値より下、話せない時は上である可能性が高いとされ、この傾向は歩く・ジョグ・自転車などで一貫していました[23]。ただし研究によっては、話せる強さが閾値より上に出た結果もあり、トークテストはおおまかな目安です。ゾーン2の練習なら、文章を区切らずに話せる強さで走ります。

まとめ

この記事で押さえたこと

  • 時計の既定のゾーン2(最大心拍の60〜70%)は、話せる強さの心拍より低い人がいる
  • ランニングの心拍数の目安は、年齢の式を出発点にして、話せる強さの心拍で自分の数字に直す
  • ポラライズド型とピラミッド型で、持久系の競技者のタイムトライアルの差は小さい
  • 週4時間の配分は、1つの割合に決めず、狙うレースの距離で選ぶ

ゆっくり走る時間は無駄ではありません。ただ、週4時間しか走れないなら、ゆっくり走るだけで時間を使い切る必要もありません。自分の話せる強さで心拍の目安を決め、狙うレースの距離に合わせて強い練習の時間を入れれば、限られた時間でも練習の中身を選べます。

覆面アスリートが自分の経験を話す
覆面アスリート

一律の計算式(最大心拍数×割合)は、アスリートには合わないと考えています。

※あくまで個人の経験であり、万人に当てはまるものではありません。

覆面アスリートが読者に問いかける
覆面アスリート

私は、心拍を強さの目安にする派です。
あなたは ①時計の心拍で強さを見る派 / ②話せるかどうかで強さを見る派、どっちですか。
コメントで教えてください。

戦う君は、ひとりじゃない。アスリートRPG。

📚 関連記事

参考文献・出典

出典リスト(23件)— タップで表示
  1. Sitko S ほか(2025)What Is “Zone 2 Training”?: Experts’ Viewpoint on Definition, Training Methods, and Expected Adaptations. Int J Sports Physiol Perform ─ 専門家14人の見解。Zone 2 は第1乳酸閾値・第1換気閾値のすぐ下。PubMed PMID 40010355
  2. Casado A ほか(2022)Training Periodization, Methods, Intensity Distribution, and Volume in Highly Trained and Elite Distance Runners: A Systematic Review. Int J Sports Physiol Perform ─ 3ゾーンの定義とエリートの配分。PubMed PMID 35418513
  3. Garmin Descent Mk2i 取扱説明書「Heart Rate Zone Calculations」─ ゾーン2は最大心拍の60〜70%。Garmin(2026年10月19日確認)
  4. Polar Loop 取扱説明書「Heart rate zones」─ ゾーン2は最大心拍の60〜70%。Polar(2026年10月19日確認)
  5. Quinn TJ, Coons BA(2011)The Talk Test and its relationship with the ventilatory and lactate thresholds. J Sports Sci ─ 15人。快適に話せる強さは最大心拍の82±7%。PubMed PMID 21774751
  6. Robergs RA, Landwehr R(2002)The surprising history of the “HRmax=220-age” equation. J Exerc Physiol Online ─ 220-年齢の成り立ちと予測式の誤差(7〜11拍/分)。ASEP(PDF)
  7. Tanaka H, Monahan KD, Seals DR(2001)Age-predicted maximal heart rate revisited. J Am Coll Cardiol ─ 351研究・18,712人。最大心拍=208-0.7×年齢。PubMed PMID 11153730
  8. Shookster D ほか(2020)Accuracy of Commonly Used Age-Predicted Maximal Heart Rate Equations. Int J Exerc Sci ─ 99回の最大テスト。9つの式すべてで実測との一致が悪い。PubMed PMID 33042384
  9. Apple サポート「Apple Watch で心拍数ゾーンを表示する」─ ゾーンは最大心拍数に対する割合。ゾーン2〜4の上限と下限は手で編集できる。Apple(2026年10月19日確認)
  10. Persinger R ほか(2004)Consistency of the talk test for exercise prescription. Med Sci Sports Exerc ─ 健康な16人。話すのが難しくなり始めた時点がほぼ換気閾値と一致。PubMed PMID 15354048
  11. Storoschuk KL ほか(2025)Much Ado About Zone 2: A Narrative Review Assessing the Efficacy of Zone 2 Training for Improving Mitochondrial Capacity and Cardiorespiratory Fitness in the General Population. Sports Med ─ 一般の人が対象。練習量が少ないほど高い強度を優先。著者に利益相反の開示あり。PubMed PMID 40560504
  12. Casado A ほか(2021)World-Class Long-Distance Running Performances Are Best Predicted by Volume of Easy Runs and Deliberate Practice of Short-Interval and Tempo Runs. J Strength Cond Res ─ 男子長距離ランナー85人。記録との相関は総距離 r≥0.75・ゆっくり走った距離 r≥0.68。PubMed PMID 31045681
  13. Rosenblat MA ほか(2025)Which Training Intensity Distribution Intervention will Produce the Greatest Improvements in Maximal Oxygen Uptake and Time-Trial Performance in Endurance Athletes? Sports Med ─ 13研究・348人(市民150人)の個人データ解析。ポラライズド型とピラミッド型で差なし。PubMed PMID 39888556
  14. Silva Oliveira P ほか(2024)Comparison of Polarized Versus Other Types of Endurance Training Intensity Distribution on Athletes’ Endurance Performance. Sports Med ─ 17研究・437人。タイムトライアルの差なし。PubMed PMID 38717713
  15. Muñoz I ほか(2014)Does polarized training improve performance in recreational runners? Int J Sports Physiol Perform ─ 市民ランナー30人・10週間。10kmは両群で短縮・群の差は有意でない。ポラライズド群の配分は約77/3/20%。PubMed PMID 23752040
  16. Milanović Z, Sporiš G, Weston M(2015)Effectiveness of High-Intensity Interval Training (HIT) and Continuous Endurance Training for VO2max Improvements. Sports Med ─ 28研究・723人。PubMed PMID 26243014
  17. Gunnarsson TP, Bangsbo J(2012)The 10-20-30 training concept improves performance and health profile in moderately trained runners. J Appl Physiol ─ 市民ランナー18人・7週間。週の距離54%減で5km −48秒。PubMed PMID 22556401
  18. Gillen JB ほか(2016)Twelve Weeks of Sprint Interval Training Improves Indices of Cardiometabolic Health Similar to Traditional Endurance Training despite a Five-Fold Lower Exercise Volume and Time Commitment. PLoS One ─ 運動習慣のない男性。両群とも最大酸素摂取量19%上昇。PubMed PMID 27115137
  19. Lafrenz AJ ほか(2008)Effect of ambient temperature on cardiovascular drift and maximal oxygen uptake. Med Sci Sports Exerc ─ 鍛えた男性10人。15〜45分で心拍 35℃ +11%・22℃ +2%。PubMed PMID 18461000
  20. Montain SJ, Coyle EF(1992)Influence of graded dehydration on hyperthermia and cardiovascular drift during exercise. J Appl Physiol ─ 鍛えた自転車選手8人。脱水の程度と心拍上昇が比例(r=0.99)。PubMed PMID 1447078
  21. Achten J, Jeukendrup AE(2003)Heart rate monitoring: applications and limitations. Sports Med ─ 心拍の日々の変動・運動中の上昇・疲労時の変化。PubMed PMID 12762827
  22. Apple サポート「Apple Watch で心拍数を確認する」─ 手首と本体が汗や水で濡れていると心拍数が正確に記録されない。Apple(2026年10月19日確認)
  23. Reed JL, Pipe AL(2014)The talk test: a useful tool for prescribing and monitoring exercise intensity. Curr Opin Cardiol ─ 快適に話せる時は換気・乳酸閾値より下である可能性が高い。PubMed PMID 25010379
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医学的アドバイスではありません。紹介した研究の多くは少人数の研究です。持病のある方・治療中の方・妊娠中の方は、強い練習を始める前に医師にご相談ください。

この記事の用語

本文の点線つきの語をタップすると、同じ説明がその場に出ます。

第1閾値(First threshold・LT1/VT1)

運動の強さを上げていった時に、血中の乳酸や呼吸が最初に増え始める強さの境目。第1乳酸閾値・第1換気閾値とも呼ばれる。

この記事では、研究者が合意したZone 2の上限の目印として出てきます。

第2閾値(Second threshold・LT2/VT2)

第1閾値よりさらに強さを上げた時に、乳酸や呼吸が急に増える2つ目の境目。これを超えると長くは続けられない。

この記事では、3つに分ける研究で中強度と高強度を分ける境目として出てきます。

トークテスト(Talk test)

運動しながら文章を声に出し、楽に話せるかどうかで運動の強さを確かめる方法。

この記事では、ゾーン2の上限を自分で確かめる方法として出てきます。

カルボーネン法(Karvonen method・心拍予備量法)

最大心拍と安静時の心拍の差(心拍予備量)を使って、目安の心拍を出す方法。安静時の心拍が低い人ほど、同じ割合でも目安の心拍が変わる。

換気閾値(Ventilatory threshold)

運動の強さを上げていった時に、呼吸の量が急に増え始める強さの境目。

総説(Narrative review)

ある分野の研究を著者が読み比べてまとめた論文。決まった手順で文献を集める系統的レビューとは違い、選び方に著者の判断が入る。

この記事では、Zone 2 は最適な強さではないとした2025年の論文の種類として出てきます。

ミトコンドリア(Mitochondria)

細胞の中で、酸素を使って糖や脂肪からエネルギーを作る小さな器官。持久力の土台になる。

ポラライズド型(Polarized training)

練習時間の大半を低強度にあて、残りを高強度にあてて、中強度をほとんど入れない配分。

ピラミッド型(Pyramidal training)

練習時間を低強度・中強度・高強度の順に少なくしていく配分。

最大酸素摂取量(VO2max)

運動中に体が1分間に取り込める酸素の量の最大値。持久力の指標として使われる。

脂肪の酸化(Fat oxidation)

体が脂肪を分解して、エネルギーとして使うこと。

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